忘却生活

忘れないうちに書く

良かった気がする日本のアルバム2016

音楽を聴くのは基本、移動時だ。

通勤だったり出張だったり帰省だったり。

家で聴くことも時々はあるけど、どうしても「ながら聴き」になってしまうのであまり記憶に残らない。

どっぷりと音楽だけに浸る時間なんて、この一年で数える程度しかなかったと思う。

それでも「あった」だけマシかもしれない。

年々、音楽との距離感が微妙になっている気がする。

それでも今年はApple Musicのおかげで、普段聴かないジャンル(アイドルとかジャズとか洋楽とか)にも気軽に触れられたりして、そういった面では結構楽しめた。

そんな感じの底の浅い音楽ファンですけど、備忘録的な目的を兼ねて、ランキング20位を公開します。

順位は概ねテキトー。その日の気分で割と変わるだろうけど、顔ぶれは大体こんな感じだろう、みたいな。

 

 

20.森山直太朗「嗚呼」


森山直太朗 - 嗚呼

さくら(独唱)とあと2~3曲くらいしか知らない程度のにわかなんだけど、Apple Musicにあったから聴いてみた。「電車から見たマンションのベランダに干してあったピンク色のシャツ」「傘がある」「金色の空」の3曲が結構好きだったのでランクイン。特に「傘がある」の井上陽水に寄せた歌い方としょうもない歌詞(でもなんかちょっと切ない)がツボだ。

 

19.the pillows「STROLL AND ROLL」


the pillows "カッコーの巣の下で"

好きなんですよ、ピロウズ。いや、好きっていうか完全なるファンです。CDはほぼ持ってるし、ライブDVDも大体買う。ライブだって何回も参加した。でもここ2~3年で急速に距離が開いてしまったんだよな。原因はまあ、色々あるけど、ここに書くのは面倒だから辞めておく。だからこの順位なんだけど、それでも今作は中々の佳作だと思う。複数のベーシストをゲストに呼んだってのが風通しの良さに繋がってるんだろうね。テキトーに楽しめる雰囲気が心地いい。

 

18.hinto「WC」


HINTO 『なつかしい人』

多分、こういうランキングで誰も入れなさそうなバンド。知名度もそうだけど、時流にも全然沿ってない。でも好きなんだよね、hinto。前身のスパルタローカルズの時から我が道をイキまくりでカッコいい。似てるバンドが存在しない。個人的には前作の方が数段好きだからこの順位だけど、好きなバンドランキングでは5本の指に入るくらいです。

 

17.AL「心の中の色紙」


AL / 花束 [MUSIC VIDEO]

あのー好きだったんですよ、andymori。ライブも行ったことあるし。なんか、さっきからおんなじことばっか言ってる気がするけど。作風としては後期andymoriを発展させたように感じた。当然、嫌いなわけがない。でも何故かあまり聴き返さなかったので、順位としてはこのくらい。多分、そのうち聴き返すと思う。そして多分、順位はもう少し上がる気がする。

 

16.宇多田ヒカル「Fantôme」


宇多田ヒカル みんなで作る「花束を君に」Music Video

音楽ファンには鼻で嗤われる発言だと思うけど、倉木麻衣派だったんすよ、自分。中学の頃ね。そのことを引きずっていたのか、それなりに色々と聴くようになっても、どうにもハマれなかった、なんとなく、苦手だった。しかし、今作でようやく呪縛から解き放たれましたよ。イイね!ウタダ。特に2曲目の「俺の彼女」の後半がたまらなく好きだ。何回聴いてもグッとくる。

 

15.スガシカオ「THE LAST」


スガ シカオ - 「大晦日の宇宙船」MUSIC VIDEO

今年感が全然ねーなと思ったら1月発売なんだね。そういや出張が続いた頃、移動中にかなり聴いた記憶がある。なんつーかこう、音と歌詞から滲み出てくるドロッとした気持ち悪さが逆にイイ、みたいな。ホヤ的な良さ。中でも「おれ、やっぱ月に帰るわ」は群を抜いた名曲だと思う。

 

14.蓮沼執太「メロディーズ」


蓮沼執太『メロディーズ』MV「RAW TOWN」

この界隈ってなんも語れない。シティポップ?東京インディー?そんな区分けももう古い?とりあえず流行ってるし、音楽ファンならマストってな空気が充満してるからちょくちょくつまみ食いしてるし、実際、良いねと感じることは多いけど、でも具体的な感想が言えない感じっつーの?まあそんなことはどうでもよくて、このアルバム、すごく心地よくて、移動中に景色見ながら聴くのに最適で、とても好きです。

 

13.KIRINJI「ネオ」


KIRINJI『ネオ』ダイジェスト・ムービー

今年の夏は外作業の出張があって、連日30度超えの猛暑の中、道路をひたすら歩くという地獄体験をしたわけですが、その行き帰りの車中で聴いたアルバムはどうやら自分の中で特別な位置づけになっているらしいとさっき気づいた。そのうちの1枚がこれ。ライムスターとのコラボ曲はもちろん、「Mr. BOOGIEMAN」とか「絶対に晴れて欲しい日」みたいなアップテンポかつポップな曲が好み。歌詞もヘンテコでいい。

 

12.Perfume「COSMIC EXPLORER 」


[MV] Perfume 「FLASH」

要所要所で俺の心をグッと掴んでくるグループで、例えば数年前のライジングサンとか、昨年の映画とか、紅白とか、今年だと映画「ちはやふる」の主題歌とか。すげー好きなのは間違いない。このアルバムも良かった!けど、本物のファン(偽物がいるわけでもないけど)の熱量には到底及ばないし、そんな自分が「今年のベストアルバムはパフューム!」と断言するのは何となく違うよな、って気持ちになってしまう。別に誰も見てないし、ものすごくどうでもいい自意識だとは思うけど!ちなみに個人的ベストトラックは「TOKIMEKI LIGHTS 」です。メロディが異様にツボ。

 

11.GRAPEVINE「BABEL, BABEL」


GRAPEVINE - SPF

バインはほんといつも安定してる。こりゃだめだってアルバムはまず無い。今作も納得のクオリティ。これより上位に上げるバンドよりも、自分の中じゃデカい存在。だけどその安定感に慣れてしまったのか、トップ10に入れるほどにはハマらなかったってのが本音。

 

10.カラスは真っ白「バックトゥザフューチャー」


カラスは真っ白 "魔法陣より愛を込めて"/A crow is white"Mahoujin Yori Ai Wo Komete"(Official Music Video)

このバンドにハマる日が来るとは思わなかった。だいぶ前に興味本位でアルバムを聴いたときは「いくらなんでも相対性理論に影響受けすぎだろ……」とガッカリしてしまい、それきり興味ゼロだったんだけど、また気まぐれで聴いてみたら、これがまあ、驚くほど好みだった。相変わらず相対性理論臭がすることはするんだけど、それが気にならないくらいに演奏とメロディの良さが際立ってる。あと、ボーカルの歌声も意外と幅が広くて、曲に合った歌い方を使い分けてる感じが好き。

 

9.赤い公園「純情ランドセル」


赤い公園「KOIKI」MUSIC VIDEO

去年のライジングサンで観た時、あまりのカッコよさに開いた口が塞がらなかったバンド。それまで音源でしか知らなかったから「まあまあ良いよね」くらいに思ってたけど、一気に最注目バンドへと変貌したんだよな。今作であの時の感覚が甦る曲はやっぱり「KOIKI」かなぁ。色んなタイプの曲が出来るのが魅力のバンドだし、「黄色い花」みたいな可愛くてポップな曲も全然悪くないけど、一回、カッコいい曲、毒のある曲、暗い曲のみで構成したアルバムが聴いてみたい。ミニアルバムでもいいんで。勝手すぎるか。

 

8.ふくろうず「だって、あたしたちエバーグリーン」


ふくろうず「うららのLa」Music Video

評論家界隈?での過小評価ぶりが納得いかないバンド第1位。前作はちょっとイマイチだったけど今作はかなり良かった。やっぱこのバンドは打ち込みよりもバンドサウンドが圧倒的にいいよ。大体、全曲良いんだけど、初聴き時に歌詞カードを読みながら聴いた「ダイナソー」は妙に泣けた。切なさ全振りのふくろうずは無敵だね。

 

7.UNISON SQUARE GARDEN「Dr. Izzy」


UNISON SQUARE GARDEN「パンデミックサドンデス」ショートVer.

何か微妙に評判が良くないっぽいのが気に食わない。個人的には最高傑作。5曲目までの流れとかガン上がりしない?後半も「パンデミックサドンデス」とか「Cheap Cheap Endroll」とか歌詞も含めてやっぱりロックバンドやねって感じで良くない?ちょっと苦手だったボーカルの甘い声もこのアルバムで完全に克服できたよ。むしろ好きになった。こんな声が出せるボーカル、滅多にいないよね。

 

6.ザ・なつやすみバンド「PHANTASIA」

ザ・なつやすみバンド - 「Odyssey」 Music Video

 「地獄の出張」時に聴いてたアルバムその2。前作はどうも自分にとっては小難しい感じで苦手だったんだけど、今作はもの凄く聴きやすくてポップで夏の匂いが濃厚で、とても好き。「lapis lazuli」って曲に至っては、なんつーかもう全部が完璧(曲名読めないけど)

 

5.ビレッジマンズストア「正しい夜明け」

ビレッジマンズストア "WENDY" (Official Music Video)

 全然知らないバンドだったけど、どっかのブログで「期待してなかったけど意外と良かった」みたいな感想を読み、Apple Musicにもあったんでテキトーに聴いてみたらぶっ飛んだ。その日は休日出勤で、心がささくれ立っていたのも良かったんだろうね。ホントに身体が震えたし「あ、そういや俺、ロックバンドが好きだったわ」と思い出させられた。いや、このランキングにもロックバンドは何組も入れてるんだけどさ、「昔から好きなベテラン」か「今どきな感じ」のどっちかのパターンが多いからさ、こういう「古き良き」かつ「でも新しい」感覚を抱けるバンドって実は稀有なんじゃないかって。まあそんな理屈はどうでも良くて、とにかくカッコいいよ、マジで。

 

4.Galileo Galilei「Sea and The Darkness


Galileo Galilei 『ウェンズデイ』

 最高傑作だと思う。最初聴いたときは「うわ、こわっ」って感想を抱いた。全編にわたって暗いし雰囲気が気持ち悪い。でもそれが段々と病みつきになってきた。上で絶賛したビレッジマンズストアとは全然違う方向性だけど、これはこれでロックバンドの到達点かもなって気がしてくる。ちなみに、この後にベストアルバムで初めて初期の曲も聴いてみたけど、もうほとんど別のバンドだ。「成長性S」って感じ。お疲れさまでした。

 

3.tamtam「NEWPOESY」


TAMTAM - コーヒーピープル (Official Video)

前情報もなしにApple Musicで聴いてみたら日本語が聞こえてきてビックリした(勝手に洋楽だと思い込んでた)。2曲目の「コーヒーピープル」で「お?」っと思い、3曲目の「CANADA」で良いバンドだと確信して、8曲目の「星雲ヒッチハイク」の名曲っぷりにヤラれた。しばらく聴き込んだあとで過去作も聴いてみて、今作がダントツの出来だということを知った。今年知ったバンドの中じゃ1位です。

 

2.スピッツ「醒めない」


スピッツ / 醒めない

三日月ロックを最後に、スピッツの新譜に抱く俺の感情はいつも同じだった。「まあ、当然いいよねスピッツだし」そしてそこに驚きや感動はなかった。徐々に失う興味。今作もほとんど義務感で購入した。そんなテンションでCDプレイヤーにディスクを挿入し、流れてきた「醒めない」の歌詞に、一気に心を持ってかれた。その後も「みなと」の寂寥感、「子グマ!子グマ!」「ハチの針」のカッコよさとユニークさの融合、「コメット」「ヒビスクス」の圧倒的名曲っぷりにヤラれっぱなしだ。数えるほどしかない、音楽に没頭する時間が訪れた。

 

1.サニーデイ・サービス「DANCE TO YOU」


サニーデイ・サービス「セツナ」【Official Music Video】

 全然通ってないんすよ、サニーデイ。門外漢もいいとこ。一度だけ、ライジングサンで「曽我部洋一バンド」を観たことはある。その時は夜中だったせいもあるけど、なんか「タルいな」と思って、途中で寝ちゃった。このアルバムはyoutubeで観たPVがどれも良かったんで試しに買ってみただけ。「地獄の出張」の車中で聴いてるうちに、不思議な感覚に陥った。カッコいいでも面白いでも明るいでも暗いでもない。極めて独特な曲ばかり。一つだけハッキリしてるのは、すげー良いってこと。そして気が付けば自分の中で今年のベスト1の座に居座っていた。あまり過去作を掘る気にはなれないんだけど、このアルバムだけはずっと聴き続ける予感がする。

 

以上!あんま書くことないとか思ってたけど、いざ書き始めると何かしら書けるもんだね。

休日、半日潰れちゃったけど、楽しかったからいいや。

 

(おわり)